不登校の時間を止まった時間にしないために③
不登校でゲームばかりだった日々から、親が「この子は大丈夫」と思えるまで
学校へ行かず、家でゲームやYouTubeをしている。勉強もしていないように見える。そんな子どもの姿を見て、このままで大丈夫なのかと不安になった時期がありました。将来が見えなかったんです。今は、不登校そのものについて強く苦しんでいる感覚はあまりありません。子どもの日々の変化を見ているうちに、私の気持ちも少しずつ変わっていきました。
目次 · 5項目
元気が戻ってから、家でやることを親子で決めた
学校へ行かなくなって、すぐに何かを始めたわけではありません。最初は、家で落ち着くのを待つ時期がありました。
子どもが元気を取り戻してから、壁に紙を貼り、今日やることをリストにしました。
タブレット学習。皿洗い。
できたらチェックを付ける。日々やることを、見える形にしていきました。
リストにあるものを全部やらなくてもいい、という設計でした。その日に必ずやるキークエストと、1日のクリア数を決めました。
キークエストをやり、あとはほかの項目から選んで、その日の数をクリアすればいい。できる量から始めました。
週に1回、親子で振り返る時間も作りました。今週よくできたこと、もう少し頑張ろうと思ったことを話し、翌週のクエストの個数や内容を調整しました。
合わなければ外しました。多すぎたら減らしました。
難しければ簡単にしました。そのときの子どもの状態に合わせて、親子で決め直していました。
子どもから、ピアノを習いたいという提案が出た
続けているうちに、子どもが言いました。
毎日やることの中に、自分がやってみたいことを加えようとしていました。もっとできるようになりたい、という気持ちが、こうした提案から伝わってきました。
勉強をする。新しいことを始める。
自分からクエストを提案する。そういう姿が日常に増えていきました。
親の不安が和らいだのは、子どもの日々の姿を見てから
親の気持ちが変わったのは、私が先に、不安にならないようにしようと決めたからではないと思います。
子どもが毎日少しずつ動いて、できることが増えていく。自分でやりたいことを見つけて、取り組んでいる。
その姿を見ているうちに、結果として私も落ち着いていったんです。
スクールカウンセラーの方から、親子の表情が明るくなったと言われたこともあります。会話も明るくなったと。
家の中で見ていた変化を、ほかの方からも伝えてもらうことがありました。
不登校の今も、高校受験という目標がある
現在、子どもには、高校受験を頑張るという目標があります。そのために、日々やるべきことに取り組んでいます。
学校へ行っている時間の長さだけを見れば、一般的な学校生活とは違っています。でも、本人には目指している先があります。
親から見ても、ちゃんと進んでいるという感覚があります。毎日の勉強や、自分から始めたことが、その目標につながっているからです。
学校へ行っているかどうかに加えて、本人が何を目指して、今日何をしているのか。そういうところにも、目が向くようになりました。
学校で得られる経験や学びを、ほかで補う
親の役割も変わりました。学校で得られる経験や学びを、ほかの場所や方法で補えないかと考えるようになりました。
何か新しいアイデアを思いついたときは、子どもと話して、クエストに加えてみることができます。
その都度、私が強く「これをやりなさい」と言う必要はありません。何を加えるかも、どのくらいやるかも、一緒に考えます。
やってみて合わなければ、週に1回の振り返りで見直す。親子で一緒に調整していくことが基本です。
学校へ戻ることを否定しているわけではありません。ただ、学校へ戻ることだけを唯一の成功にしなくてもいいと思っています。
学校に行っていない間も、自分の目標に向かって日々少しずつ動けるようになる。それが、わが家で大切にしていることです。
不登校の時間を、ただ止まっている時間にしないために、暮らしそのものを少しずつ組み直してきました。
今日できたことがある。次にやってみたいことがある。
そういう毎日をそばで見ているうちに、私の中にも、この子は大丈夫と思える気持ちが育ってきました。